2024年の春頃、当社にベークライト(フェノール樹脂)の問い合わせがありました。フェノールパイプを探している
九州大学公認の宇宙開発体験サークル「放課後は宇宙開発を」をモットーに活動をしている団体さんからでした。
文面から、何か困っている様子が伺えました。
村上電業が出来るのは、ベークライト(フェノール樹脂)でパイプを製作して提供する事です。使用する場所と活動内容の詳しい事を理解した時には、学生さん達の「すぐ使いたい」という声を叶えられるように、段取りをしました。
その時に、秋田県能代市で開催される「宇宙イベント」に参加するというお話をお聞きしました。ロケットに興味がある私としては、学生さん達の打ち上げるロケットを一度みてみたいと思っていました。
そこで、九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」(担当:燃料班,エンジン班 井上径尚氏)に会いに能代まで行ってきました。「九州大学PLANET-Q」の皆様にお邪魔しながら、たくさんのお話を伺ってきました。

質問1
九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」についてお伺いします
Q1_九州大学公認の宇宙開発体験サークルとは?
以下:
井上氏)「九州大学PLANET-Q ]は九州大学公認の宇宙開発体験サークルです。「放課後は宇宙開発を。」をテーマに宇宙関係のあらゆることに関しての活動 を行っています。
「Hybrid Rocket」,「Space Balloon(気球)」,「 Can Sat(模擬人工衛星)」,「Model Rocket」を開発から製作して活動しています。
Q2_プロジェクトができた経緯は?
![]()
井上氏)宇宙開発または、宇宙のことに興味のある学生が集まるサークルができました。
Q3_何時から何時までを放課後の活動にしていますか?
井上氏)毎週グループでミーティングをして、夜遅い時間になることもあります。
Q4_土日祝日の活動もありますか?
![]()
井上氏)天気によりますが、立証実験を進捗の進み具合で、土日も使ってまとまった実験をしています。
Q5_何年生から参加できますか?
井上氏)1年生から3年生がメインで活動しています。(井上さんは3年生なので、今年で引退ですと教えてくれました)4年生は引退し、サポーターとしての役割を担っています。
Q6_現在は何名で活動しているのですか?
![]()
井上氏)76人で活動しています(2024年8月現在)
Q7_初めての興味あるだけでも、参加できますか?工学など、ある程度の知識が必要ですか?
井上氏)誰も分からないというところから参加しているので、初めから知識が必要ということはないです。引き継ぎもあるので安心して、プロジェクトに参加できます。

質問2
九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」との出会いのきっかけから、活動までを教えてください。
Q1_ロケット作りに憧れができたきっかけがありますか?
井上氏)予算の範囲で、工作機械としてCNC旋盤を使って製作しています。工夫して費用を抑えアイデアで自作をする事が、学びになっています。
Q2_九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」に、入会したいと、入学した学生さんは多いのですか?
井上氏)オープンキャンパスで活動報告を行い、スマホから情報を発信して案内していると、高校生達が興味を持ってくれて、入学後にサークルに入会してくれています。
Q3_小さい頃からロケットが身近にあったのですか?
井上氏)ロケットや飛行機が好きで、宇宙工学科で学びたいが芽生えていたので学んで、自分のロケット製作への夢となっていきました。
Q4_種子島のロケットを見る機会は多いですか?
井上氏)全国の大学などが参加する「種子島ロケットコンテスト」があって、他大学のサークルとも交流ができています。
Q5_知識豊富な仲間とは、お互いのどのような刺激になっていますか?
井上氏)週一回の、良い点や悪い点からもっとこうした方がいいなどの話合いから、新しいアイデアが生まれ、刺激になっています。
話していると長引いてしまい、夜中になることもあります。結論がでないときは次まで持ち越したいしています。
Q6_OGやOBの方々の、どんなときに頼りになりますか?
井上氏)僕はエンジン班なのですが、現役は目の前のことでいっぱいいっぱいになってしまうことが多く、先輩たちがいままでの経験から燃焼実験のときには、危険な状態にあるときに気づいてくれて、勉強になり助けてもらっています。

質問3
ロケットの完成から打ち上げまで、どのような道筋があるのですか?
Q1_仲間とつくったロケットは、,かけがえのないものですが、完成したときはどのような気持ちになりますか?
井上氏)本当に打ち上げられるかな、と不安にあることがあります。
うまくいくとも限らないので、エンジン班は機体を組みなおしして、最後まで調整します。
打ち上げが成功したときには、達成感と嬉しい気持ちになります。
Q2_ロケットが完成したときの気持ちを仲間と打ち上げまで、どのような声掛けしていますか?
井上氏)全体で、不安と緊張感の名で、静かに見守っています。
Q3_ロケットが打ち上げに成功したときは、どんな気持ちになりますか?
井上氏)半年間、努力してきてよかったと実感します。
Q4_ロケットが飛んで、達成する為の毎年決まった目標設定があるのですか?
井上氏)サークル全体で、大きな目標として、高度10キロを目指しています。現在は3000mが自団体の成果となっていて、目標まで近づいています。
Q5_打ち上げ成功のあとは、次の課題の一歩前進ですが、過程やその計画はどのように進められていますか?
井上氏)今後の課題として、プロジェクトごとにミーティングをします。実証研究をして、作業を行うための計画を話し合います。
Q6_成功や失敗の繰り返しで完成していく時に、今後の課題が見つかる際のミーティングは、期間があるのですか?
井上氏)1年に2回あります。半年に1プロジェクトが行われています。
Q7_仲間が集まった時には、どのような意見がでてきますか?
井上氏)どういうロケットにしていくかについて,機体の大きさ,太さから空気抵抗を考えます。
この部分を議論しないと、効率が悪くなってロケットの性能が低下してしまいます。
Q8_その時の課題が、今現在のロケット製作に反映されていくには、改 良や実験の繰り返しになるのですか?
井上氏)より良いロケットにする為に改良して実験の繰り返しです。

質問4
放課後の活動の内容について,お伺いします。
Q1_仲間それぞれ、どんな役割のグループ分けがありますか?
井上氏)Hybrid Rocketでは、構造班,伝送班,燃焼班,エンジン班と、四つの班に分かれて活動しています。
Q2_ 計画や工程づくりはどのように行っていますか?
井上氏)エンジン班は、機体の最後の締め切りまで、外径を仕上げます。完成度の高いエンジンを製作する為に工程を組み、それに沿って活動しています。
Q3_素材選びはどのように策定しているのですか?
井上氏)素材は、CFRPやGFRPについてです。毎年構造のための選定する話し合いをします。
Q4_ロケットの設計において、耐熱性に軽量やコストの調整はどうように考えられているのですか?
井上氏)ロケットには、液体ロケットと固体ロケットがありますが、ハイブリッドロケットは、燃料と酸化剤が異なる形で存在しています。
液体ロケットエンジンや固体ロケットエンジンとは異なり、ハイブリッドロケットでは酸化剤が液体で、燃料が固体です。爆発の危険性が低いので、ハイブリッドロケットを研究し製作しています。

質問5
村上電業について、お尋ねします。
Q1_村上電業を知った理由は何ですか?
井上氏)ネットから、フェノールパイプやベークライトパイプで探していたところ、村上電業のブログページを見つけ、問い合わせをしてみました。
Q2_ベークのパイプを選んだ理由はなぜですか?
井上氏)エンジン班では、燃焼部分に耐熱性の高い布ベークパイプを使用している為です。
Q3_村上電業で、こんな事扱っていたらいいのに、等はありますか?
井上氏)学生の予算では高額だと難しく、実験もたくさんできるようになるので、フェノールパイプが安く手に入り、手元にあったら嬉しいです。

九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」質問6
九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」の、今後の目標と課題を教えてください。
Q1_活動の一番の最大の目標は何ですか?
井上氏)団体として大きな目標は「高度10キロまでの到達」を目的としています。
Q2_資金の支援はどのような仕組みですか?
井上氏)機械工学コースに「創造工房」という、学生の自主的な
ものづくり活動を支援する施設から工学サークルの支援があります。
Q3_資金や知識などで、困っていることはありますか?
井上氏)資金面では、CFRPやGFRPという材料を選ぶときに、どれくらいお金がかかるかを考えています。
知識面は、シミュレーションをして数値解析をし、知識を深めています。また、図書館の本で熱についてのシミュレーションも調べることもできますが、意外と時間が足りなくて困ってたりもします。

九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」質問7
九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」について、詳しく知りたいので、教えてください。
Q1_ 九州大学公認の宇宙開発体験サークル「九州大学PLANET-Q」の魅力を、3つ教えてください。
井上氏)
〇秋田県能代市で開催される「宇宙イベント」に参加できること。普通の大学生活では味わえない貴重な経験ができます。
〇このイベントに参加すると他大学のロケット団体と交流ができ、絆ができます。
〇工学系機械を機械工学科は学びますが,航空宇宙工学科ではあまり旋盤を扱う機会が少ないので、旋盤の技術学ぶことができます。
Q2_参加すると、どんなことを学び、自己成長に繋がりますか?
井上氏)1年生から参加して、3年間経った今では、問題解決の力がついて、専門的な能力も身につけた自分を実感できるようになります。
Q3_ 今年の宇宙イベントの意気込みは?
井上氏)2024年8月20日と23日行われる「大学生ハイブリッドロケット海打上げ」は、ロケットは天気の風向きによって、軌道が変わり日程変更にも対応します。与えられた打ち上げウィンドウの時間内で、打ち上げを成功させることです。
Q4_宇宙イベントに向けてどのくらいの期間をかけて準備をするのですか?
井上氏)「大学生ハイブリッドロケット海打上げ」に向けて、今年の4月から計画を始めて、5月の燃焼実験でフェノールパイプを使う為に、そこで村上電業に問い合わせをしました。
Q5_地域との交流はどのようなかたちでありますか?
井上氏)福岡県福岡市今津(毘沙門山北側)で、燃焼試験のために場所を借りています。
お礼に地元の小学校に向けて、Hybrid Rocketの展示や打ち上げした様子などの報告会を行っています。今後の様々な打ち上げ計画や夢についてお話しています。
Q6_就職先は宇宙開発関係を目指す人が多いのですか?
![]()
井上氏)目指す学生は多いです。僕はエンジンを製作しているので、燃焼実験に関する仕事に就けるように、日々知識や技術を学んでいます。
Q7_情報発信は何を使っていますか?
井上氏)担当の方が「X(旧Twitter)」や「ホームページ」で日頃の活動を更新しています。
関係者や団体の先輩方々が見て感想やアドバイスをくださり、その意見をプロジェクトに反映させています。
Q8_ほかにもロケットの関連した活動がありますか?
井上氏)九州大学のPLANET-Qの活動には、ロケットに関連した他の活動も行っています。
小学生を招待して大学のグラウンドでロケットを打ち上げるイベントや、プロジェクトの一環としてModel Rocket教室を開催し、Model Rocketを一緒に製作する活動も行っています。
村上電業の感想として
初めて、能代宇宙イベントにお邪魔して、ベークライトの(フェノール樹脂)による活用の場に触れ刺激を受けました。 井上氏の夢や、ロケットに必要な燃料について、ロケットの目標を達成させる為に、ミーティングに仲間とのコミュニケーションに情熱を垣間見ることができました。
希望にあふれたお話から、これは、ベークライト(フェノール樹脂)にも、未来の可能性を感じました。
また他大学さん参加されていたのもあり、九州大学さん含め活気ある空間に、製造業の出来る事は無限にあるから、日々学びが必要であるなと強く感じました。
ロケットが打ち上げられたときには、村上電業が出来る事は微力ではありますが、学生さんの希望を叶える為に、学生さん達にいつでも還元できる組織づくりは欠かせないと、改めて考える機会となりました。
そして、突然の提案に快く受けてくださった、井上氏と団体の皆様に、温かく対応していただき感謝でいっぱいです。これからも「九州大学PLANET-Q」さん始め、ロケット打ち上げの目標が達成される事を願っています。
