はじめに
樹脂素材は、曲がって反ってしまうと、部品製作として使うことができないことが多いです。
今回は製造現場の観点からお話します。

樹脂素材が反ると使えない理由
曲がって反りがある樹脂素材は、製作中に平行を保てなくなります。
さらに曲がって反りがある樹脂素材は、寸法精度に影響します。
寸法精度を保つことは、部品を製作する上で、大事な部分です。
それは、寸法公差(※)を出さないと、部品を製作することができなくなるためです。
※寸法公差とは:寸法のズレがどのくらいまで許せるかの差のことです。
公差 – Wikipedia
反りが起きにくい素材
樹脂素材の特徴は、必ず曲がって反りが起きることです。
それは樹脂素材の物性として、吸水性・熱膨張係数が関係するためです。
その中でも、反りが起きにくい樹脂素材は、スーパーエンジニアリングプラスチックです。
スーパーエンジンアリングプラスチックに分類される樹脂素材は、PEEKやPPSです。
スーパーエンジニアリングプラスチックの特徴は、寸法が安定していることです。
寸法が安定する条件は、値を測るたびに大きく変わらない寸法であることです。
反りが発生しやすい素材
もう一つの条件は、時間が経ち環境に変化があっても、製造したときの値と同じであることです。
また、反りがもっとも発生しやすい樹脂は、吸水性が高いとされるナイロン系です。
ナイロン系の樹脂素材は、環境や湿度により寸法が変化します。
そのためナイロン系の樹脂は、素材に反りが起きやすいです。

樹脂素材を板に製造するときの反り対策
樹脂素材は、原材料からできたものをいいます。
原材料をもとに、製造過程を経て板として成形されます。
樹脂素材の製造過程は、反りが発生しないように考えられています。
1、成形する金型は、温度を一定に保たせる必要があります。
それは、原材料である樹脂素材を、均等に金型に流すためです。
金型に均等に流れた原材料の樹脂素材は、板の厚みを安定させます。
厚みを均等にすることで、反りの発生を減らすことができます。
2、繊維のあるエポキシガラス板を製造するときは、繊維の流れ方向を均等にします。
繊維の方向を均一にすることで、反りを防ぐことができます。
3、樹脂の板を成形した後は、板を冷却します。
それは、樹脂素材の特徴である、収縮率が関係しています。
樹脂素材は、収縮率の差が大きく出てしまうためです。
そのため収縮率を抑えることで、反りの発生を減らすことができます。
4、さらに樹脂の板を成形後は、アニール処理(熱処理)をします。
樹脂素材全体を一定温度で加熱すると、反りを減らすことができます。
このアニール処理は、お客様からの要望に多くみられます。
それは、反りが、お客様にとっても懸念点として考えられているからです。
このことから、樹脂素材を使う環境下は、反りを考慮して使うことがわかります。
このアニール処理は、寸法を安定させることもできます。
そのためお客様は、アニール処理を施したものを求めることが多いです。

まとめ
樹脂素材を扱うには、反りを考慮して部品製作をします。
村上電業は、樹脂素材が曲がって反った状態を目にする機会があります。
目にする機会が多いのは、工場の現場でそのまま樹脂素材を立てて置いてしまうことが
あるためです。
立てたまま保管した樹脂素材は、曲がって反ってしまい使用できなくなります。
そのため村上電業は、樹脂素材の保管方法を日々の業務の中で工夫するよう心がけています。
