
アクリルと村上電業の目線から
私たちの日常生活には、たくさんのアクリルが使われていることを前半で紹介しました。
この後半では、アクリルの製法や特徴、その製法からアクリル板を使う際の厚みが選ばれる理由、
村上電業とお客様のアクリルとのエピソードを紹介します。

アクリルに製法があるとは?
アクリルには、「キャスト製法」と「押出製法」という2つの作り方があります。
何故かというと、アクリルの性質を変えて作られることで、それぞれの特徴をもたせることができます。
アクリルでものづくりをするときは、まず形状である板や丸い棒、パイプが必要になります。
なので、様々な使用用途に適したアクリルを作ることになります。
その場所で活用できるようにする為があります。
これらのことから、製法を二つで分けて製作しているのが大きな理由です。
さらに製法の違いによって、製造業のものづくりでは、加工のしやすさも変わってきます。

「キャスト製法」と「押出製法」の特徴があるの?
〇キャスト製法とは
溶けたアクリル樹脂を、型に流し込んで作る方法のことをいいます。
はじめにアクリルの原料(粉や液体)を、熱を加えてドロドロに溶かします。
そして溶けたアクリルを、「型」の中に流し込みます。
その後、時間をかけてゆっくりと冷やしていきます。
時間をかけて冷ますことで、ゆがみの少ない、しっかりしたものに仕上がります。
アクリルがしっかり固まったら、型から外します。
そして、「キャスト製法」で作られたアクリルの出来上がりです。
強みと注意点:
切削加工がしやすいのが特徴で、色のバリエーションが豊富にあります。
表面がやや粗く長時間冷却することから表面が固く、接着しにくいという難点もあります。
アクリル板をつくる型は規格のみではあるものの、
型に流し込み製法なので、型があれば厚みのあるものも製作ができます。
型に流し込んで冷ます時間がかかることから、価格が高いとされています。
〇押出製法とは
粘土みたいなアクリル樹脂(ペレット)を、溶かしてドロドロにします。
溶かしたアクリル樹脂(ペレット)を均一に引き延ばし、製品表面を滑らかに仕上げるために、
ローラーを使い、押し出します。そして、空気や水などで冷やし、固めて形にします。
ローラーまま冷やすこともあります。
最後に、サイズ調整や仕上げに表面処理をして完成です。
強みと注意点:
ローラーで製作する方法は、カラーバリエーションがやや少ないですが、
大量生産ができるため、コスト面で安くできます。
ローラーの幅に制限ありますが、板をつくる厚みは20mmまであります。
ローラーによって、均一に滑らかな表面に仕上がっているので、接着がしやすいです。
そして、ものづくりの観点からは、「押出製法」のアクリルは切削加工が難しいとされます。
これは、ローラーの熱で押し出す製法の仕組みに関係しています。
完全にアクリルが冷めてない状態で、押し出すときに起きる圧力でひずみが生じてしまうのです。
ひずみのまま固まるので、ドリルやエンドミルを使った切削加工をすると、
割れたり形が変わったりすることがあるのです。そのために、加工が難しいとされています。
「キャスト製法」と「押出製法」の使用用途?
例えば、ディスプレイのように、見た目や品質を重視する場面には「キャスト製法」で製作されたもの。
看板やパーテンション、前半で紹介したアクリルスタンドは「押出製法」で作り出されています。
アクリル板を使うのに「厚み3㎜と5㎜」が多いのは何だろう
アクリルを選定するとき、製法も製作する上で大事なことですが、
例えば、ものづくりでアクリル板を使うには、重要なポイントが「厚み」の選定です。
そこで、板の厚さ3mmや5mmというサイズは、汎用サイズ(さまざまな用途でよく使われる一般的なサイズ)と
されています。汎用サイズは、市場に出る機会が多いので、コスト面でも安定しています。
厚みいうのは、ものづくりの現場や研究開発の段階で、必要とする使用場所に、大変重要な要素となります。
(厚みについての詳細は、今後のブログで紹介します。)
この厚さ3mmや5mmというサイズには、使われる理由が多くあります。
大きな理由に、強度があり軽量で使い勝手が良いとされているサイズなのです。
アクリル板3mmは軽くて丈夫とされ、展示パネル、カバー、間仕切りで使われています。
また、アクリル板5mmは、たわみにくいという特徴があります。
なので、日常生活で使う棚の板に、たわみが少ない5mmが使われています。
日常生活に、溶け込むアクリル板の厚みを考えるだけでも「ものづくり」を身近に感じることができます。

お客様と村上電業のやり取り(アクリル板)から
あれ?汎用サイズじゃないの?どういうことだろうと疑問が起きた出来事です。
2024年12月に、同時期に来たお客様のアクリル板の要望の厚みは4㎜でした。
汎用サイズでないため、探している様子が伺えます。
実際に村上電業では、お客様からのご相談に応じて、用途から適切なアクリル板を提供しています。
1人目のお客様は、
公園の掲示板窓に、「ガラス」から「アクリル板」に交換したいというお話しでした。
理由には、「ガラスは重いし、割れやすい。アクリルは軽いし割れにくい、自然災害対策で変えることにしたい。」
ということでした。公園にある掲示板のガラス窓は、厚み4㎜なので、同じ厚みを希望してのご購入となりました。
2人目のお客様に、
そして数日後のことです。隣町の不動産さんが、アクリル板4㎜が急遽必要になった、
と飛び込みで村上電業に来ました。
「ガラスの水槽から「アクリル板」に変えたい。
水槽にいる動物ための、止まり木が必要で、穴をあけて取り付けてあげたい」
「自分で穴があけられる透明なアクリル板を使いたい。」と説明されました。
さらに、「ガラスのように破片が飛び散ることもなく、怪我のリスクも低いので、アクリル板を選びました」
とのお話でした。
そこで、村上電業としては、「アクリル板はガラスより透明度があります。軽くて使い勝手も良いですね。」
とお話しをつなげました。
二人のお客様の「どこ探しても、アクリル板4㎜を見かけないから助かりました」との声に、
応えるかたちとなりました

頼られる会社をづくり続ける
製造業の隅っこにある村上電業にも、小さな目標があります。
それは、やはり製造業の一員として、頼りにされる企業づくりを日々学ぶこと、
何よりも、地域の皆さまに「素材屋」としても頼られる会社になることです。